今月の主題 脂質代謝異常
技術解説
脂質転送蛋白
浦田 武義
1,4
,
高木 康
2
,
五味 邦英
2
,
板倉 弘重
3
Takeyoshi URATA
1,4
,
Yasushi TAKAGI
2
,
Kunihide GOMI
2
,
Hiroshige ITAKURA
3
1昭和大学医学部臨床病理学教室
2昭和大学医学部臨床病理学教室
3国立健康・栄養研究所臨床栄養部
4栄研化学株式会社研究開発本部
キーワード:
脂質転送蛋白
,
コレステリルエステル転送蛋白
,
高比重リポ蛋白
,
レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ
Keyword:
脂質転送蛋白
,
コレステリルエステル転送蛋白
,
高比重リポ蛋白
,
レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ
pp.135-142
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900488
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動脈硬化症診療研究の進歩は目覚ましく,最近においては血管内皮細胞機能の解明が広く行われるようになり,中でも内皮沈着脂質の,肝への逆転送経路の解明が精力的に進められている.
この内皮細胞の"外"を流れる血中リポ蛋白と内皮に取り込まれる脂質間の出納にかかわるとされる新規な脂質転送蛋白であるLipid Transfer Protein (LTP-I=CETP),LTP-IIおよびそれらに対する阻害蛋白Lipid Transfer Inhibitor Protein (LTIP=エルティップ)について述べる.
LTP-Iはコレステリルエステル(CE),トリグリセリド(TG)および,リン脂質(PL)の50%,LTP-IIはPL (残りの50%)のみ転送をつかさどっている.本稿ではその脂質転送経路,生成過程,分離精製法,性状,LTP-I (CETP)活性異常症,脂質転送状態の確認法および測定法について述べる.
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