今月の主題 蛋白質の活性と蛋白量
話題
コレステリルエステル転送蛋白(CETP)
齋藤 和典
1
Kazunori SAITO
1
1第一化学薬品株式会社診断薬研究所・つくば研究グループ
キーワード:
CETP
,
ELISA
,
リポ蛋白
Keyword:
CETP
,
ELISA
,
リポ蛋白
pp.987-990
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904862
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1.はじめに
コレステリルエステル転送蛋白(cholesteryl ester transfer protein; CETP)は,末梢組織のコレステロールを,血漿中のリポ蛋白を介して肝に転送するコレステロール逆転送系で重要な役割を演じ,血漿リポ蛋白代謝を制御している蛋白質である.ヒトのCETPは,分子量64~74 kDaの疎水性の高い糖蛋白質で,肝,小腸,脾臓,副腎,脂肪組織,骨格筋などで合成される.ヒトCETPの遺伝子は第16染色体上でレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)遺伝子と近接して存在し,16個のエクソンと15個のイントロンから構成され476個のアミノ酸をコードしている.血漿リポ蛋白を構成する非極性脂質であるコレステリルエステル(CE),トリグリセリド(TG)はCETPにより,血漿リポ蛋白間を移動している(図1)1).
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