増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
脂質・リポ蛋白
CETP(コレステロールエステル転送蛋白)
山下 静也
1
1大阪大学医学部第2内科
pp.195-199
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909804
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検査の目的・意義
末梢組織に蓄積した余剰のコレステロールが高比重リポ蛋白(HDL)により引き抜かれた後,そのコレステロールはlecithin-cholesterol acyltransferase(LCAT)によってHDL上でエステル化されて,コレステロールエステル(CE)となる.コレステロールエステル転送蛋白(CETP)は,HDL中に含まれるCEを超低比重リポ蛋白(VLDL)や低比重リポ蛋白(LDL)などのアポ蛋白B含有リポ蛋白へと転送する(図1).これらのアポB含有リポ蛋白が,LDL受容体により肝臓に取り込まれて代謝される.この過程はコレステロール逆転送系と呼ばれ,動脈硬化防御機構の一つであるが,末梢組織に蓄積したコレステロールは最終的に胆汁の一部として排泄される.
CETPは分子量64,000〜74,000,476個のアミノ酸からなる疎水性の糖蛋白で,副腎,肝臓,脾臓などの臓器,脂肪組織,骨格筋,ヒト肝癌細胞由来株HepG 2細胞,小腸上皮細胞,CaCo 2細胞,ヒト単球由来マクロファージなどの細胞で合成される.
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