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特集 出血傾向あるいは血栓傾向をきたす血小板減少症と血小板機能異常症
【血栓傾向をきたす血小板減少症】
血栓性血小板減少性紫斑病
-――病態,診断,治療の最新知見
Thrombotic thrombocytopenic purpura
――A novel insight on pathophysiology, diagnosis and treatment
酒井 和哉
1
Kazuya SAKAI
1
1奈良県立医科大学輸血部
キーワード:
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
,
ADAMTS13
,
フォン・ヴィレブランド因子(VWF)
,
リツキシマブ
,
カプラシズマブ
Keyword:
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
,
ADAMTS13
,
フォン・ヴィレブランド因子(VWF)
,
リツキシマブ
,
カプラシズマブ
pp.652-655
発行日 2024年2月24日
Published Date 2024/2/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28808652
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血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)はまれな致死的血栓症である.TTP患者ではフォン・ヴィレブランド因子(VWF)切断酵素であるADAMTS13(a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondin type 1 motifs 13)が著減することで,最小血管内に病的な血小板血栓が多発し,虚血性の臓器障害をきたす.TTPの90%以上を占める免疫原性TTP(iTTP)は,ADAMTS13に対する自己抗体の産生によって発症する.新鮮凍結血漿(FFP)を置換液とした血漿交換およびコルチコステロイドの併用は,iTTPに対する標準治療としてiTTP患者の予後改善に貢献した.しかし,急性期の突然死や治療後の再発はiTTP治療中の課題であった.近年,カプラシズマブやリツキシマブの有用性が示されている.本稿ではiTTPの病態,診断,治療について概説する.
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