今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集
検査(ライブラリー作製,次世代シークエンサー)に関する用語
赤羽 俊章
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科腫瘍学講座病理学分野
キーワード:
ターゲットシークエンス
,
ライブラリー
,
マルチプレックスPCR
,
次世代シークエンサー
,
インデックス
,
リファレンス配列
Keyword:
ターゲットシークエンス
,
ライブラリー
,
マルチプレックスPCR
,
次世代シークエンサー
,
インデックス
,
リファレンス配列
pp.934-939
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202107
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ターゲットシークエンス
ターゲットシークエンスは,その名の通り,目的の遺伝子であるターゲットに読む範囲を限定し,DNA配列を決定する手法のことである.ターゲットエンリッチメントとも呼ばれる.標的領域のDNAを増幅し配列を決定する,という意味で理解していただいて差し支えない.領域を絞ることで,その領域のみを深く読めること(high depth)から,感度を上げて変異を検出することができるようになり,結果の信頼性が上がる.ホルマリン固定パラフィン包埋(formalin fixed paraffin embedded:FFPE)検体由来のDNAなど,固定後修飾,核酸断片化が進行しているようなサンプルを使用する場合,high depthに解析し,検出した変異の信頼性を得ることが重要である.また,読む遺伝子領域の長さと解析コストは比例するが,複数サンプルの特定領域のDNA配列を読むことで低コスト,ハイスループットの解析が可能になる.
ターゲットシークエンスにはいくつかの手法があり,現在多く使われているものとして,
・アンプリコンシークエンス法
・キャプチャーシークエンス法
・アンプリコンシークエンス/分子バーコード法
がある.
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