増大号 超実践! 病理で迫るがんゲノム医療—検査から治療まで
2章 がんゲノム検査に関わるテクニックと工程
遺伝子関連検査領域の工程
—シークエンサー(Wet&Dry)/次世代シークエンサー—合成によるシークエンシング法:イルミナ社
赤羽 俊章
1,2
1鹿児島大学病院腫瘍センター・ヒトゲノム遺伝子解析センター
2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科病理学分野
キーワード:
次世代シークエンサー
,
SBS法
,
パターン化フローセル
Keyword:
次世代シークエンサー
,
SBS法
,
パターン化フローセル
pp.1111-1113
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690101111
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はじめに
次世代シークエンサーとは,ハイスループットに遺伝子配列を読むための機器の総称である.特に,ホルマリン固定パラフィン包埋検体を用いたシークエンシングの場合,核酸は短いフラグメントに断片化されていることから,ショートリードに特化しているものを使用することが一般的である.次世代シークエンサーという名称が一般化しているが,次世代で使用しているわけではなく,一般的に広く使われているシークエンサーであり,近年では並列型のシークエンサーという意味でmassive parallel sequencerと呼ぶこともある.それぞれのメーカー,それぞれの機種に長所・短所が存在するが,本稿では触れない.
本稿では,筆者が主に使用しているイルミナ社のシステムを例にして次世代シークエンサーの原理を解説する.

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