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あとがき
山田 俊幸
pp.580
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200833
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本稿の執筆を依頼されたのは,私の勤務先の大学の入学試験の面接日でした.事前に準備しているとはいえ,受験生の皆さんは立派なもので,いつものことですが,評価をつけるのに苦吟しました.残念だった諸君には,今頃,どこか別のところで学生生活をスタートしていることを願います.本学に入学した諸君には,面接で述べた初志を貫いていただきたいものです.
ところで,私などは若いころは,(今でもそうですが)人前でうまく話せず,そういう世代でもあったと思うのですが,今の若者の多くは受け答えがなめらかな印象を受けます.スポーツ選手のインタビューなどでもそうお感じの方は多いのではないでしょうか.E-mailやSNSなどの顔の見えないコミュニケーションツールが普及するなかで,不思議ですが,褒めるべきことです.一方,医療系の大学に入ってくる新人の学力(おそらく基礎科学の理解力のことでしょう)の低下を懸念する声を聞きますし,現場でも実感することがあります.私は教育の専門家ではないので,その実態や理由についてはわかりませんが,学校での成績や就職直後の印象よりは,社会に出ての5〜10年が,その人にとって大きな評価の時期であると考えています.若い方々は目の前の仕事で精いっぱいで,本誌をじっくりと読む余裕はないかもしれませんが,先輩の方々は,彼らの“のびしろ”の時期を大切に過ごさせてあげてください.
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