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2014年は関東地方の記録的な大雪にはじまり,南木曽と広島の土砂災害,御嶽山の噴火と,まれにみるほど天災に見舞われた1年でした.また,耳を疑うようなニュースも例年になく多かったように思います.どことなく暗いムードで1年が終わろうとしているなかもたらされた日本人科学者3名のノーベル物理学賞受賞の朗報は,まさに青色LEDの発する光のごとく,一筋の光明をもたらしてくれました.LEDの特徴は何といっても寿命の長さです.迎える2015年はもちろんのこと,これからの未来を末長く照らし続けてほしいと,ついついLEDにすがりたくなってしまいます.
さて,本号では「新型インフルエンザへの対応─医療機関の新たな備え」を特集しました.まさにこれからインフルエンザの流行がピークを迎えようとしているこの時期にふさわしいタイムリーなテーマです.インフルエンザに限らず,その他の感染症の予防にも通じるとても参考になる内容です.2014年は感染症の脅威にも脅かされた1年でもありました.閉鎖されていた代々木公園も再開され,ひとまずデング熱騒ぎは収まりましたが,蚊が活気付くころには,再び心配しなければいけなくなるのかもしれません.そして,今なお収まらないエボラ出血熱の感染拡大は極めて深刻な問題となっています.今後もまた別の感染症が突如として猛威を振るうことが大いにあり得ます.そんな時,肝心の医療機関が混乱していては,世のなかは大パニックに陥ってしまいます.2009年,新型インフルエンザが世界的に流行した際に,集中的な備蓄によりタミフルが不足して大混乱を招いたことは記憶に新しいところです.そのような事態を回避するためにも,医療関係者1人1人がしっかりとした知識を身に付け,いざという時に適切な対応がとれるようにしておく必要があります.
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