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あとがき
山内 一由
pp.596
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200348
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本号は「日常検査としての心エコー」と「健診・人間ドックと臨床検査」の2本を特集しました.今回も大変読み応えのある充実した内容になっています.新年度の慌ただしさが一段落したところで,ぜひじっくりと読んでいただきたいと思います.
さて,健診といえば,ちょうどこの時期に,職員健診を行う施設が多いのではないでしょうか.私事ですが,若い頃は,職員健診は楽しみの1つでした.今月はどれだけ節制できただろうか? 通信簿を開くときのようなドキドキ感を感じながらデータをみたものでした.検査値が良好であれば達成感と満足感に浸り,芳しくなければ,健常値だった仲間を横目にひとしきり敗北感に打ちひしがれた後,次回の健診までのさらなる節制を誓ったものでした.時には,「バラついているんじゃないの?」などと,自分の検査室にあらぬ言い掛かりをつけたりして.実に不謹慎ですが,賑やかしく健診を受けてきました.しかし,厄年の頃からでしょうか,いよいよ病が自分にとっても切実な問題と思えるようになり,しかも,どんなに節制しても頑として基準範囲に収まらない検査値を突き付けられるようになってくると,楽しみだった健診が一転,試練に変わってきました.私に限ったことではないと思います.しかし,そうやって少しずつ健診を敬遠するようになることが,社会問題となっている国民医療費の高騰のきっかけのように思えます.
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