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あとがき
伊藤 喜久
pp.1762
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101407
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本誌の今月の主題としては,おそらく初めてと思いますが「胎盤」を取り上げました.妊娠は期間限定の胎児の母体への同種移植状態であり,受精卵の着床から出産まで,母胎内外の環境変化に応じ精緻に恒常性を維持しており,胎盤研究はその窓口の広さ,方法論,研究アプローチの多様性,得られた成果の発展性などいずれの視点から見ても,医学・医療における基盤研究の1つとして位置づけられます.
しかし,臨床検査との接点は生理検査では超音波検査,検体検査では血清,羊水を対象とした胎盤機能検査,胎児生長評価,異常スクリーニングなどいまだに限られたものしかありません.かつて悪性腫瘍,先天異常のマーカーなど,胎児,胎盤に関連して新しいインパクトのある研究がこの領域から生まれているだけに,発生,分化,成熟に関連した臨床上有用な知見が数多く蓄積されているはずです.優れた研究,医療への実践成果を多方面の領域からご寄稿いただき,検査の視点から“胎盤の持つ魅力,潜在力”を引き出していただくことにしました.
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