特集 病院栄養業務の質の向上を目指して
新たな病院給食システムの構築を—「病院給食システムの設計管理指針」作成のねらいとその概要
宮川 宗明
1,2,3
1日本病院設備協会
2(株)宮川フードサービス研究所
3(株)サニテック
pp.158-163
発行日 1994年2月1日
Published Date 1994/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901162
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
作成の動機と経過
わが国病院給食の後進的性格と課 題—投薬的栄養管理志操と品質管 理の短絡
病院給食は患者の自力回復を促すために,それぞれの病態に適切な栄養的供与を図ることを目的とした食事療法であることは言うまでもない.しかしわが国では,基準給食制度が発足した昭和30年代の当初から,献立を作る立場からの栄養所要量とその精度管理面が偏重される反面,患者の栄養摂取条件として最も大切な品質的管理が軽視され,過大な残飯実態に示される通り本来の食事療法に不適切な設営慣習が特徴的である.加えて昭和50年代の後半以降の経済的復興に伴う国民生活水準の向上とともに病院建築の急速な近代化にも拘らず,国内外食市場の豊かな展開を他所目に,独り病院給食のみが旧態依然としており,冷めたおしきせの献立と早すぎる給食時間帯という患者側軽視のサービス条件が改善されていない.以上の点から昨今では給食制度の在り方から見直す緊急性が指摘される事態にあることも当然と言えよう.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.