連載 医療機関で起きる法的トラブルへの対処法・5
—非正規従業員を巡る問題(1)—労務管理一般と業務請負
高坂 敬三
1
,
堀田 克明
1
1弁護士法人 色川法律事務所
pp.813-817
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211519
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1 病院における労務管理の重要性
病院では医師,看護師,理学療法士,薬剤師といった医療従事者以外にも,事務や清掃作業,守衛業務に従事する人たちがいます.このような人たちが有機的に一体となって医療機関としての機能を果たしているのです.もっとも,病院が全ての人たちを雇っているわけではありません.例えば,病院から業務委託を受けている業者から派遣される,いわゆる請負従業員と呼ばれる人たちがいます.守衛や清掃員あるいは駐車場の管理人などです.また,労働者派遣法★1に基づいて派遣業者から派遣されて,病院職員と同じように事務に従事している人たちがいます.例えば,病院の受付事務,レセプト作成の事務に多く見られます★2.他方,病院に直接雇用されている人の中でも,正職員以外に,期間を定めた有期の契約職員や,短時間勤務のパートの職員もいます.病院ではこのようにさまざまな職種,さまざまな契約形態の人たちが働いていますので,契約形態に応じた労務管理は重要です.
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