特集 国際化と産業保健
在日日系人従業員の健康管理
城戸 照彦
1
,
木内 夏生
1
,
能川 浩二
1
Teruhiko KIDO
1
,
Natsuo KINOUCHI
1
,
Kohji NOGAWA
1
1千葉大学医学部衛生学教室
pp.320-323
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900800
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◆はじめに
この10年ほど,日本国内では外国人労働者が急増し,それに伴い,不法就労やブローカーによる中間搾取の問題が指摘されている.全国自治体病院協議会の調査(平成4年3月)では外国人患者の未払い治療費が9,000万円以上になることも報告されている.しかし,彼らの就労実態は全国的には明らかにされていない.平成元年10月時点の千葉県商工労働部の調査結果によると,回答を寄せた2,407事業所のうち,外国人を雇用していたのは5%程度であるが,正社員は全体の18.6%に過ぎず,大半がアルバイトや契約社員・臨時社員であり,健康保険の加入率は約37%であった1).
さて,出入国管理および難民認定法(入管法)が改正され,平成2年6月より,日系人の場合,おおむね以下の2通りに区分され,日本国内での就労などに制限がなくなった.まず,出生時に両親のいずれかが日本国籍を有していた子の場合は在留資格は「日本人の配偶者等」として扱われ,在留期間は一般に3年とされた.
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