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病院従業員の労働時間短縮問題
遠藤 保喜
pp.187-191
発行日 1961年3月1日
Published Date 1961/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201774
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I.まえがき
本年10月初旬,東京地方医療労働組合連合(以下東京医労連と略称)傘下の組合に発生した病院争議は,11月1日の東京医労連7組合7病院4診療所のストとなり,その後さらに全日本赤十字労働組合連合会(以下全日赤と略称)の全国的規模における統一争議へと発展し,あらゆる報道機関もこれを一斉に取り上げ,12月5日開会された特別国会でも,病院争議が重要な審議の対象として論議されるなど,今回の病院争議は,かつてない程の社会問題となり,さらに政治問題とさえなつているが,なお解決に至らない現状である。
今画の病院争議の中心が,賃上げと労働条件の改善に在ることはいうまでもないところではあるが,組合側の掲げている要求項目の中に「労働時間短縮と人員増加要求」とがあることは,今後の組合運動の方向を考える上に見逃すことのできない重要な問題ではないだろうか。本稿においては,この医療従業員の労働時間短縮と人員増加要求の問題を取り上げてみることとしたい。
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