私の病院の試み
関東逓信病院における請負清掃について
吉川 遼子
1
1関東逓信病院
pp.845-848
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201580
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
先ず清潔で,美しく行とどいた病院にするための大半の責任が,病院ハウスキーパーの双肩にかかつているといつても,過言ではなく,それがたとえ新しくとも旧くとも,ともかく病院全般の環境を美しくして衛生的にするのが,ハウスキーパーの大きな任務でもある。病院のみならず,建物の内外を,すみずみまで清潔にすることは建物の保守管理,環境衛生上から重要である許りでなく,病院に来られる誰彼をとわず,とくに患者にとつて安心して任かせられる最上の場所として,大切なことはいうまでもない。殊に長い病床生活を送らねばならない入院患者に対しては,医療面,看護面は勿論,更に環境面にも,細心の注意をはらつてこそ,本当の立派な病院となるのであるから,その一部分である保清関係をなおざりに出来ないことは,今更いうまでもないことである。
当関東逓信病院においては,電信電話公社の企業経営合理化対策の1つとして,事業要員の重点的活用を図るため,清掃用務の請負化を実施し,これによつて生ずる定員を現場生産面にふりむけることになつたのが根本の方針である。本社においては勿論,その附属機関である当院においても,その方針に従い,昭和29年の末期より先ず一部分の請負化を始め,漸次その範囲を拡めて,同32年以降は,全般にわたつて,請負化する段階に入つた。ただここに断つておかねばならぬことは,公社においては,純然たる請負ではなく,ある企業団体に委託の形をとつていることである。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.