連載 アーキテクチャー×マネジメント・20
新潟市民病院
江川 香奈
1
1東京電機大学情報環境学部
pp.576-581
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210291
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■はじめに
新潟市民病院は,1973年に新潟市紫竹山に設立された,新潟市を開設者とする公立病院である.建物の老朽化が目立ってきたことと,さらなる医療の充実を図るため,鳥屋野潟南部に2007年に新築移転した(図1).病院の理念は,ウィリアム・オスラーの言葉を基にした「患者とともにある全人的医療」であり,特に救命救急,周産期医療,がん治療に重点を置いて運営されている.移転新築から現在までの約9年,地域の医療ニーズなどに対応するための改修や増築を重ね(図2,3),地域医療に主軸を置いた運営がされている.
移転新築時の建物の概要と設計意図は本誌1)および,文献2, 3)に記載されている.本稿では,①病院が重点を置いて運営している救命救急・循環器病・脳卒中センター(以下,救命救急センター),総合周産期母子医療センターの現況,②機能に合わせてプランニングされた病棟の使用状況,③病院全体において,移転新築後に行われた増築・改修の経緯と内容(表1)についてまとめる.
なお,本稿をまとめるにあたり,片柳憲雄院長と,設計時からこれまでの運営に携わっている広瀬保夫救命救急・循環器病・脳卒中センター長,永山善久総合周産期母子医療センター長,管理課の坂田一春課長補佐,および伊藤喜三郎建築研究所の江口紀子氏からお話を伺った.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.