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—M.D.ハイフェッツ,C.マンゲル 著 太田典礼,和田敏明 訳—「死を選ぶ権利(脳神経外科医の安楽死の記録)」
綿貫 恭子
1
1東京医歯大医学部付属病院
pp.63
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206101
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人間らしい生き方,死に方とは
生命の価値
著者はアメリカの著明な脳神経外科医である.彼は日頃多くの患者に接する体験の中から「死ぬ権利」は「生きる権利」と同等の効果を持つと述べ,それに基づく多くの事例が書かれている.
人間の神聖は人間性素質を備えた存在の神聖を意味し,人間の生命は同情,愛情,柔軟など人間の属性を反映する.だから軽々しく生命を維持することは生命を非人間化することであり,生命を"人間らしさ"からひきはなすことは,生命の価値を低下させることである.延命をはかるという平凡な言い方は,不道徳だと医師の保身術を批判する.
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