連載 医療BSC基礎講座・2
BSCの基本を理解する(その2)
髙橋 淑郎
1,2
1日本大学商学部
2日本医療バランスト・スコアカード研究学会
pp.220-223
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101916
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■BSCの生成と発展
1.第1世代のBSC:業績評価中心の時代
ハーバード・ビジネス・スクールのキャプラン教授と経営コンサルタントのノートン氏が『ハーバード・ビジネス・レビュー』に,最初にBSCのコンセプトを発表したのは,1992年のことであった1).その後,それまでの論文をまとめた書籍として,第1冊目の著書『The Balanced Scorecard』を発刊した2).
彼らが強調したのは,戦略が策定されてもそれをうまく実行できない原因は,財務成果に偏重したマネジメントにあるということだ.今日のように企業を取り巻く環境変化が激しく流動的であり,かつ競争優位の源泉が有形資産から無形資産に変化したことで,過去の財務データのみに頼った経営を行っているだけでは,実りある成果を達成するには不十分ということである.
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