連載 医療BSC基礎講座・4
BSCの基本構造と原則(その1)―ミッション・ビジョン,4つの視点とその関係
髙橋 淑郎
1,2
1日本大学商学部
2日本医療バランスト・スコアカード研究学会
pp.372-375
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101956
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■ミッションと戦略とBSC
BSCのねらいは,「戦略を確実に実行させる」ことにある.戦略とは,組織のミッションの達成のために「不確実な情報の中で,経営体のあるべき将来像を意図を持って描き,それを達成するための道筋を時間とともに考えるいくつかのシナリオ」1)を策定・実行・評価しながら進めるものであるが,そのミッションは抽象的で高邁なものが多く,ビジョンをわかりやすく示す必要がある.すなわち,近い将来こうなりたいという3年後,5年後の組織の姿を組織構成員が共通にイメージできるビジョンの達成に向けて,組織を変革していくシナリオである注1).
少なくともBSCを作成する場合には,組織内で「戦略」とは何かを定義し,共通目的を持って,戦略実行意思を持っていることが必要条件となる.戦略を確実に実行することが目的であるので,組織構成員が同じ認識を持たなければ,戦略の実行はおぼつかない.
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