特集 脳性まひのリハビリテーション
Ⅲ 乳幼児期の脳性まひ
脳性まひ児の超早期訓練の実際―その意義と原則について
紀伊 克昌
1
1聖母整肢園
pp.585-593
発行日 1972年12月9日
Published Date 1972/12/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104316
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はじめに
脳性まひ児の治療が,次第に早い時期から行なわれるようになってきたが,それは神経生理学的根拠に基づいて発展せねばならない.中枢神経系メカニズムが完成される前に,あるいはそれの成熟過程にうけた脳細胞へのダメージは子どもの発達を阻害する重大な要因となる,刺激と反応の反復によって正常な子どもの中枢神経系は器質的にも機能的にもどんどん発達していく.脳細胞にダメージをうけた子どもの中枢神経系が異常な機構へと発展するのをできるだけ阻止し,その歪みを是正していく作業が治療の正当な手段であろう.脳性まひ児に神経生理学的治療を実施していくには,生後9か月までの早い時期に開始すべきである.次のようなことでその意義を説明することができる.
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