特集 脳性まひのリハビリテーション
Ⅲ 乳幼児期の脳性まひ
幼少脳性まひ児の評価と治療計画―作業療法の立場から
寺山 久美子
1
1東京都心身障害者福祉センター
pp.577-584
発行日 1972年12月9日
Published Date 1972/12/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104315
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
最近はCPを扱うどこの施設でも重度化,重複化,幼少化の傾向にあるらしい.この原因としては色々考えられようが,障害児通園センターが地区毎にできてきたこと,保育園や幼稚園などで軽いCP児なら預かってくれる所が増えたこと,病院の小児科クリニックのレベルで,定期的チェックおよび訓練指導まで行なう所が増えたことなどで,従来trainableとされた3歳以上で,身体的精神的障害の軽度から中等度のCP児は,こうした形で分散していったことが大きな要因ではなかろうか.残ったいわゆる“むずかしいCP児”(重度児,盲ろう,てんかんなどの重複児,0歳,1歳の幼少児)がCPの専門スタッフをそろえた施設を訪れるというわけである.リハビリテーションサービスは地域性の高いものであるべきであり,気軽に近くの施設でサービスを受けられることが理想であるので,このCP児の地域分散は大いに結構なことである.が現実には手放しで喜んでばかりはいられないらしい.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.