特集 脳性マヒ
脳性マヒ児訓練におけるボバース・テクニックの実際
紀伊 克昌
1
1聖母整肢園訓練部
pp.171-177
発行日 1971年6月9日
Published Date 1971/6/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100429
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はじめに
ボバースは1955年ごろから,Static RIP(静的反射抑制肢位)に自ら反省を行なった.一単に異常姿勢反射を抑制するのみでなく,同時に患者自身にactive movementsをコントロールさせるために,それまでの治療体系を修正し,Key pointsを開発することにより,さらにボバース体系を発展させてきた.
このKey pointsは主として痙直型や強剛型などの筋緊張が,異常にたかまっている患者にたいして,その過緊張や異常緊張を抑制して,より正常な姿勢反応や,運動反応を促進させるために用いられる.またアテトーゼ型や失調型,あるいは乳幼児脳性マヒ児などのように,筋緊張が低すぎて一定の姿勢を保持したり,運動をコントロールできないものに対しては,主として,姿勢反射による自動的反応を利用するファシリテーションテクニックと,固有受容器および表在受容器刺激によるファシリテーションテクニックを用いて,筋緊張を正常な状態に調整させる.
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