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特集 整形外科
腕神経叢根引き抜き損傷の機能再建術と術前・術後のリハビリテーション
Orthopedic: Reconstruction Surgery and Rehabilitation for Patients with Root Avulsion of the Brachial Plexus
伊藤 恵美
1
,
西島 直城
2
Emi ITO
1
,
Naoki NISHIJIMA
2
1滋賀県立成人病センター
2京都大学整形外科
1Seijinbyo Center, Shiga Prefecture.
2Department of Orthopedic Surgery, University of Kyoto.
pp.433-438
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104057
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Ⅰ.初めに
近年10代後半から20代前半のオートバイ事故による外傷性重度腕神経叢損傷症例が増加している.ことに根引き抜き損傷患者は,肩~手指までの重度運動麻痺をはじめ感覚障害,関節変形拘縮,浮腫,痛みなどの基本的機能障害を有している.加えて急激で非可逆性の損傷ゆえに心理的ダメージも大きい.また年齢的に10代後半から20代前半は,人生の方向を定める重要な時期であるので,生活手段や身辺自立手段が180°転換することを余儀無くされる患者もある.
そういった患者の治療として近年,適応があれば,神経叢部の修復・再建術や運動機能再建術を行い,加えてその前後のリハビリテーションにより,患者の能力障害・社会的不利の軽減を図ろうとしている.損傷程度は多種多様であるが,それが重度であればあるほど,OTのかかわりかたがたいせつとなってくる.そこで今回は,主に根引き抜き損傷の機能再建術とリハビリテーションとについて,経験をふまえて述べてみたい.
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