特集 世界にインパクトを与えた日本の整形外科
腕神経叢損傷の再建
土井 一輝
1
1山口県厚生連小郡第一総合病院
pp.1179-1180
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200407
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概要
腕神経叢全型麻痺は多くが脊髄からの引き抜き損傷であり,手指の機能再建は絶望視され,神経交叉縫合術により肘屈曲再建に機能再建の主眼が置かれていた.上肢の基本的機能としての手指物体把持機能再建が再認識され,脊損手の再建理論に基づいた神経交叉縫合術や筋肉移植術によるピンチ機能の再建も行われたが,片側手が正常な腕神経叢患者では有用でなかった.片側上肢機能障害者が最も支障を訴える両側手を同時に使用する動作であるパワーグリップ,それもいわゆるフックグリップを機能再建の目標としたdouble free muscle transfer(DFMT)法を考案,臨床応用した(図1,2).DMFT法はDoi's methodと呼ばれ,現在,全世界で行われている.
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