Japanese
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増大特集 新・リハビリテーション技術
疾患編
腕神経叢損傷:最新の診断と治療
Brachial plexus injury.
三上 真弘
1
Masahiro Mikami
1
1帝京大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
腕神経叢損傷
,
診断
,
治療
Keyword:
腕神経叢損傷
,
診断
,
治療
pp.1229-1233
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109931
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はじめに
腕神経叢は第5頸髄神経根から第1胸髄神経根の前肢より形成され,鎖骨上窩,鎖骨下で複雑に分枝と吻合を繰り返しながら腋下窩で各末梢神経に分かれるまでを言い,上肢全体を支配する.解剖学的には根(root),幹(trunk),束(cord)に分けられる(図1).損傷高位分類はそれぞれの部位で表すが,根の損傷では後根神経節より中枢,すなわち脊椎管内で障害される節前損傷と後根神経節より末梢,すなわち脊椎管外で損傷される節後損傷に分けられる.前者は引き抜き損傷とも呼ばれ,神経修復は不可能である(図2).
腕神経叢はこのように構造が複雑であり,その損傷部位を正確に同定することは難しく,また神経を修復しても終末器官までの距離が長いため,神経再生に時間がかかり十分な機能回復が得られにくく,治療は大変難しい.
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