とびら
CureからCareへ,CareからCreateへ
廣谷 速人
1
1島根医科大学整形外科学教室
pp.71
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103960
- 有料閲覧
- 文献概要
平均寿命30歳余と言われる先史(繩文・弥生・石器)時代の人骨には,長管骨骨折偽関節・変形治癒や膝関節不良肢位強直がみられ,また著明な変形性膝関節症を認める人骨が出土することから,彼ら古代人は苛酷な条件の下に身体障害者,老人を問わず雄々しく生き抜いてきたことを類推することができる.
養老律令(757年)による身体障害は,残疾(一目盲,両耳聾,二指・三足指・手足母指欠損など),廃疾(侏儒,腰脊折れ,一肢の用廃),篤疾(二肢用廃,両目盲など)に分けられていて,残疾は調(物納)は正丁(成人男子)の半分,役務(労働)は全免となっていた.廃疾と篤疾とはすべての課役が免除され,さらに篤疾では侍(じ,付添看護人)が1人付けられた.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.