特集 End-of-life
9.看護師の立場からICUでのend-of-lifeケアを考える―必要なのはすべての医療者がよりよい“cureとcare”に思いをめぐらすこと
山中 源治
1,2
YAMANAKA, Motoharu
1,2
1東京女子医科大学病院 看護部
2東京医科歯科大学大学院 保健衛生学研究科
pp.101-111
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100390
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ICUでのクリティカルケアの主な目的は,急激に生命を脅かす状況から患者を守り,人生の質を回復させることにある1)が,時としてICUは死の現場ともなる。米国では,すべての死のうちの2割強がICU入室患者の死2)だと報告されている。しかし,ICUでの死は多種多様で,プロセスも一定ではなく,そのうえ,死のとらえ方は個々人の価値観,文化,宗教などが関係するため3),複雑な問題をはらんでいる。また,救命や回復を第一に考える現場では,死やend-of-lifeを視野に入れて患者,家族とかかわることは困難である4)といわれる。ICU看護師は,医師やそのほかの医療者とともに,その困難を打開しようと努め,可能なかぎり患者・家族の望むケアを実現させようとしている。
本稿では,看護師の立場からICUのend-of-lifeケアを振り返り,end-of-lifeのチーム医療や“cureとcare”の融合の観点から,現状と課題,ケアの手立てについて述べる。
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