Japanese
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第12回「理学療法と作業療法」賞・受賞論文
準入賞:在宅障害者の生活技術を高める要因
Factors to Improve Life Skills for Disabled Persons at Home
高橋 流里子
1
Ruriko TAKAHASHI
1
1群馬大学医療技術短期大学部
1College of Medical Care and Technology, Gunma University.
pp.825-829
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103925
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Ⅰ.初めに
在宅障害者に対するリハビリテーション(以下リハと略す)については人口構造の変化などとそれに対応する政策とによりPTも関与せざるをえなくなっている.
筆者は1976年2月より埼玉県K市の福祉事務所を拠点にした在宅重度障害者のリハ事業に参加している.本事業はソーシャルワーカー(以下SWと略す),PT,家庭奉仕員(ヘルパーと略す)などでチームを組み訪問の形態で開始した.1983年より老人福祉センターへの通所の形態(以下訓練会)も加えた.1986年4月より訓練会は老人保健法を適用したため保健課の保健婦が主体となったが,訪問は福祉事務所を拠点に継続中である.
本事業の対象者の中にリハ専門病院(PTやOTなどリハ医学の技術を有し,対応する病院や施設の総称とする)で治療,訓練を受けて最大限の能力を獲得しても在宅になると習得した動作としてのADL1)が生活技術の習得につながらず貧困な生活状況(低いQOL)に陥る例がみられた.しかし,このような例も本事業が関与している間に,病院で習得したADLが回復,さらに拡大し,生活技術の習得に至ることが多い.
そこで,生活展開の過程でADLの能力を回復させ,生活技術を習得した3例の在宅生活に移行したときの生活展開上の問題,およびADLが生活過程に組み込まれ,生活技術に高まっていく経過を述べ,その要因を考察する.
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