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第10回「理学療法と作業療法」賞・受賞論文
準入賞:ホットパックと極超短波の皮膚温効果の比較
Comparative Study on Cutaneous Heating Effect between Hot Pack Application and Microwave Diathermy
吉元 洋一
1
,
澤井 一彦
2
Yoichi YOSHIMOTO
1
,
Kazuhiko SAWAI
2
1愛知医科大学付属病院中央リハビリテーション部
2愛知医科大学付属病院整形外科教室
1Central Rehabilitation Service, Aichi Medical University Hospital.
pp.863-868
発行日 1985年12月15日
Published Date 1985/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103466
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はじめに
理学療法分野で広く利用されている温熱療法は,疼痛軽減,局所循環の改善,筋緊張の低下などの効果がある.そのため臨床場面では運動療法の前処置として広く用いられている.温熱療法を分類4)すると,①主として伝導によるもの,②主として対流,伝導によるもの,③輻射によるもの,④高周波によるもの,⑤機械的振動によるものがある.この中でも特にホットパックや極超短波などは日常最も利用されている温熱療法の手段である.
この温熱効果を客観的に判定する方法には,皮膚温測定および局所循環動態の測定などがある.前者の測定法としてはThermocoupleやThermisterなどが一般に利用されている.しかしこれらの測定法は接触式であるため,検出部の圧迫による皮膚温上昇や接触部位の個体差などによる変動が大きくなり,測定値が非常に不安定なものとなっている.更に皮膚温測定の対象となる四肢末梢では,皮膚温の変動が大きく,正常パターンすら明らかにされていない.
筆者は1976年以来,皮膚温の定量化を模索しており,下肢皮膚温をThermographyにより撮影し,Collinsら2)の提唱しているThermographic Indexに準じた平均温度指数(MTI)8)を用いることにより定量化を可能とした.
今回このMTIを用い自然放置における下肢各部位の変化と,ホットパック(以下HPと略す)と極超短波(MT)の各温熱療法の下肢皮膚温に及ぼす影響について検討する目的で本研究を行った.
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