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特集 脳卒中リハビリテーションの再検討
脳卒中の作業療法の再検討
Review of Occupational Therapy in Stoke
前田 守
1
Mamoru MAEDA
1
1中伊豆リハビリテーションセンター
1Nakaizu Rehabilitation Center.
pp.741-745
発行日 1987年11月15日
Published Date 1987/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103901
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Ⅰ.初めに
医学的リハビリテーションの必要性が叫ばれ,やがて理学療法士,作業療法士の身分制度が誕生して,早くも20年が経過した.この間,リハビリテーションを取り巻く社会,経済,医療,国民意識などの動向は目まぐるしく変遷し,今日までの作業療法も直接,間接的にそれらの影響を受けつつ,発展,成長を遂げてきたことは言うまでもない.
しかし,私たちの求める作業療法が社会の中に確固たる存在として受け入れられているかを考えると,遺憾ながら不充分さは否めない.ここ数年にわたり,日本作業療法学会でもこれらの経緯を一つの節目として捉らえ,「作業療法の源点,核は何か」,「(職業的,方法論的)独自性は何か」といった,自己再認識の試みが行われている.
脳卒中のリハビリテーションが我が国の中心的なテーマになったことにより,リハビリテーション医学自体が国民的レベルにまで普及する結果となった.
このことは,cerebrovascular apoplexy(以下CVAと略す)の作業療法は,脳卒中の医学的リハビリテーション全体の変遷の中で考察されるべきものであり,同時にそれは,我が国のリハビリテーション全体の変遷と無関係ではない.
このような見地から,今回,脳卒中の作業療法について,総論的な反省や,問題点,展望などについて述べてみたい.
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