とびら
時の流れの中の雑感
東嶋 美佐子
1
1川崎リハビリテーション学院
pp.709
発行日 1987年11月15日
Published Date 1987/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103894
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講義が終わり,一息つく暇も無く階段を降りて行くと,そこには私の担当する患者が待っている.一日に何回となくこの往復を繰り返して,あっというまに10年が過ぎた.
最近,実習指導者や教員の間で,学生の自主性の無さが取り沙汰されるようになった.私たちの時代に比べると,恵まれすぎるぐらいの教科書もあり,教育環境も充分すぎるほど整ってきている.にもかかわらず自主性の無さが問題視される.事実目の前に勉強になる患者がいても,自分に関係なければまったく興味を示さない.講義に対しても与えられているという感じで,体当たり的な情熱を感じない.また,将来自分がなろうとしている作業療法士(OT)という職業に夢をもっていないし,職業意識も低い.
このような自主性の無さは何に起因しているのだろうか??? 教育と臨床に追われながら,自問自答している毎日である.
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