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特集 脳卒中
脳卒中片麻痺患者の歩行プログラムの再検討
Stroke: Reconsidering Gait Training Program for Stroke Hemiplegic Patients
三和 真人
1
,
八並 光信
1
,
遠藤 敏
1
Makoto MIWA
1
,
Mitsunobu YATSUNAMI
1
,
Satoshi ENDO
1
1慶應義塾大学病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University Hospital.
pp.4-7
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103422
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Ⅰ.緒言
近年,脳卒中片麻痺患者の歩行中心とした自立度予測や歩行能力達成などに関して示唆に富む報告1~3)が為されている.
そこで,脳卒中リハビリテーションにおいて歩行に関する研究報告を分類すると,①発症からの期間,合併症,Brunnstromステージ,感覚障害,関節可動域制限などの質的な諸変数を指標にし歩行の自立度を予測しようとする,②床反力計などによる波形解析や重心加速度計による歩行周期,歩行効率などの総合的・動的データから歩行の機能・能力を予測する,③三次元歩行計測システムなどによる筋・関節から歩行パターンや歩容を,エネルギー消費量の計算から身体状況を把握し歩行を予測する,④歩行スピード,歩行距離などの運動機能能力や酸素摂取量などの呼吸循環系の心肺機能の能力から,片麻痺患者の体力や歩行自立能力の達成を予測する,などに大別されよう.
この中でも,われわれは①と④の観点から片麻痺の歩行プログラムの検討を行なってみる.
ただし,基本的には,体系化された片麻痺の歩行プログラムは,確立されていないという前提の下に述べていきたい.
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