短報
床上移動動作におけるエネルギー消費の測定
潮見 泰蔵
1
,
丸山 仁司
2
,
秋山 純和
3
1埼玉リハビリテーション専門学校
2東京都老人総合研究所運動研究室
3結核研究所附属病院理学療法室
pp.693-694
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103887
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Ⅰ.初めに
床上における種々の移動動作は,その移動形態から,いざる(shuffling),這(は)う(creeping),歩く(walking)などに大別することができる.その中でも,横いざり(片麻痺型),四つ這い,膝歩きは,脳卒中片麻痺患者や脳性麻痺児をはじめ,種々の運動障害者の床上における移動手段および訓練方法として,しばしば用いられる.これらの動作は,直立歩行と比べ,低重心かつ広支持基底面をもつ点では共通しているが,推進する際の上下肢の使われかたは,各動作で大幅に異なっている.したがって,この差異がエネルギー消費に及ぼす影響も大きいのではないかと推察される.一方,移動動作が実用化するか否かについては,その動作に要するエネルギー消費に関連するとも言われる.そこで,今回,いざり,四つ這い,膝歩きについて,これら三つの動作の運動強度を比較・検討するための基礎的資料を得ることを目的に,物理的負荷量を一定にした場合の各動作のエネルギー消費などを測定したので報告する.
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