短報
握力測定法の再検討―1回測定と3回測定の差
金子 翼
1
1神戸大学医療技術短期大学部
pp.695-696
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103888
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Ⅰ.初めに
上肢の粗大筋力の指標の一つとして,握力測定は日常の臨床で頻繁に実施されている.
測定に際しては,肢位・握り幅を一定にすること,そして原則として左右交互に3回測定し,そのうちの最大値を左右それぞれの代表値とすること(以下,三回法),などが勧められている1).
しかし,実際には1回の測定結果(以下,一回法)が症例会議や学会で発表されることが多く,筆者はそれに関して疑問をもっていた.
そこで今回,片麻痺・末梢神経損傷,その他の上肢機能障害を有する被検者59名の患側・健側,合計132肢(1肢につき,期間をおいて2~3回測定したものを含む)を対象に,一回法と三回法との比較を試み,その差が明らかとなったので報告する.
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