文献抄録
Parastepによる補助歩行と対麻痺歩行装具による移動エネルギー消費:a single case study
都築 晃
1
1藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校
pp.792
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100566
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
脊髄損傷などによる対麻痺患者が立位歩行練習を行うことにより,痙縮,褥瘡,骨粗鬆症,浮腫,腸運動の予防や心肺系の改善に効果があることは知られている.現在までに対麻痺歩行装具のエネルギー消費にかかわる比較検討は行われているが,被験者数の少なさや,異なる損傷レベルの患者を比較し評価するため,エネルギー消費の評価としては十分ではなかった.このような被験者間の変化を避けるために,single case studyとした.エネルギー消費の評価は,ARGO(advanced reciprocating gait orthosis)とParastepシステムにおいて,機能電気刺激(FES)を装着した場合とそうでない場合で調べた.
方法:被験者は身長160cm,体重66kg,28歳,T5-T6レベル,ASIAスケールはAで,受傷後2年経過している.ARGOに装着したFESは,股関節屈筋と伸筋の交互収縮機能をもった4チャンネルをとりつけた.ParastepシステムはAFO(ankle-foot orthosis)と膝伸展機能を中心とした6チャンネルのFESを装着した.それぞれの歩行システムのために練習し,各トレーニング期間以後,筋の状態,FESの効果,痙縮と骨密度が評価された.ARGO(FESあり・なし)による移動と,Parastepシステムによる移動に関して,HR(心拍数)と酸素消費の関係と移動時のエネルギー・コストなどが評価された.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.