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講座
障害者の職業問題 1.精神障害者に対する職業関連リハビリテーションサービスの動向
Vocational Problems of the Disabled Persons. 1. Trends in the Prevocational and Vocational Rehabilitation Services for the Mentally Disabled
岡上 和雄
1
Kazuo OKAGAMI
1
1国立精神衛生研究所社会復帰相談部
1Division of Rehabilitation, National Institute of Mental Health.
pp.619-624
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103634
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はじめに
与えられた内容は,精神障害者の社会復帰(職業)の全体状況,問題点,展望に合わせて,成功事例等に言及するということであるが,以上全部には及ばないにせよ可能な範囲で現状を概観したいと思う.
混乱を避けるために,はじめに与えられたテーマのなかの「精神障害者」ということばの概念について触れておきたいと思う.わが国では,精神障害者あるいは精神障害ということばがおおむね以下三通りの概念で使われている.第一は精神衛生法第3条における定義で精神病者,精神薄弱者および精神病質者を合わせた行政上の定義,第二は厚生省の患者調査などでの疾病分類に用いられている概念,第三は身体障害という場合の障害と似た意味で用いられる場合である.これらのうち第二の概念は精神科領域の病気といった意味で,国際分類に従っているのでてんかんは入っていない.この分類と第一の分類との一番大きな違いは神経症性のものが,第二の方に入っている点である.第三の概念は文字どおりMentally Disability,Mentally Disabledの訳語として用いられる.以下,三通りの区分を意識しながら使うつもりであるが,とくに必要な場合には,第一の場合を法にいう精神障害者,第二の場合を広義の精神障害(者),第三の場合を支援を要する精神障害者と記す.
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