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特集 終末ケアにおける理学療法・作業療法
進行性筋ジストロフィー症に対する終末ケア―とくに終末ケアに関連する機器の紹介をかねて
Terminal Care for Muscular Dystrophy Patients: Rehabilitation Aids for Terminal Care
浅山 章
1
,
仙波 美津子
1
,
赤松 節
1
,
桑原 伸
1
,
清家 隆介
1
,
大塚 彰
2
,
赤松 満
2
,
首藤 貴
2
Akira ASAYAMA
1
,
Mitsuko SENBA
1
,
Setsu AKAMATSU
1
,
Sin KUWABARA
1
,
Ryusuke SEIKE
1
,
ÔTSUKA Akira
2
,
Mitsuru AKAMATSU
2
,
SUTÔ Takasi
2
1国立療養所愛媛病院
2愛媛大学医学部整形外科
1Ehime National Hospital.
pp.511-516
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103603
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はじめに
進行性筋ジストロフィー症,とくにDuchenne型(以下DMDと略す)に関しては3~4歳頃に歩行の異常を初発症状とし,10歳前後に歩行不能に陥り病勢の進展と共に車椅子生活を余儀なくされる.
車椅子生活への移行後は,下肢の変形と共に脊柱側彎,胸部の変形も顕著となり,呼吸筋群の萎縮,変性が加重し心肺機能の低下へと進展する.そして,常住病臥を余儀なくされて終末期にいたる.
平均寿命は,昭和40年代前半は15.8歳であったが,昭和50年度後半には19.9歳と約4年間もの延命が図られるようになった.
以上の病状の経緯に従って日常生活の遂行に際し,体位変換や起居動作などに関し,介護面にもさまざまな困難がもたらされる.臥床期に入ると日常生活面では全面的な介助を必要とし,心肺機能の著しい低下により体外式呼吸器やレスピレーター,IPPBの使用などの呼吸管理を含めターミナルケアが展開される.
本稿では,車椅子より臥床を余儀なくされた終末期を通じてリハビリテーションを円滑に推進するために,著者の関連する施設で開発し,工夫された機器,著者自身が工夫した機器について車椅子,電動車椅子,入浴介助装置,体外式人工呼吸器,コミュニケーションエイドなどを主に紹介する.
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