臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
VIII.神経・筋疾患
7.いわゆる難病の治療と管理
進行性筋ジストロフィー症
大澤 真木子
1
,
福山 幸夫
1
1東女医大小児科
pp.2152-2155
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208289
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はじめに
進行性筋ジストロフィー症は,単因子遺伝に従う,骨格筋の一次的な「進行性変性」を特徴とする疾患群である.表1のごとく,臨床的にも相互に異なるいくつかの疾患単位が含まれる1).治療上の最も重要なことは,診断を確実にすることである.臨床上,多発性筋炎との鑑別が非常に困難なことがあるからである2).
筋鞘膜の透過性障害が主因と考えられているが未だ本態は明らかでない.不幸にして,本症の進行増悪を阻止,改善,治癒せしめるだけの有効な治療法はない.しかし,不十分ながら,現今の諸種の医療を受けることにより,確かに生活の改善や生存期間の大幅な延長などの効果が得られる.その治療は,①薬物療法,②一般的療法,③理学療法④社会生活への適応および心理的諸問題へのアドバイス,⑤遺伝相談に分けられる.
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