Japanese
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特集 終末ケアにおける理学療法・作業療法
尊厳死を巡って―Rehabilitationとのかかわりを中心に
Death with Dignity: A Rehabilitationist's Point of View
砂原 茂一
1
Shigeichi SUNAHARA
1
1国立療養所東京病院名誉院長
1Tokyo National Chest Hospital.
pp.506-510
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103602
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日のあたらない道
Rehabilitation(リハと略す)はかつては社会復帰と訳されたこともあるし,再生ともいわれた.いずれも“病気よさらば”とベッドを蹴って太陽の輝く外気の中に駆けだすような,景気のいい調子の言葉であった.技術的にもリハは非薬物体系であることが長年の“薬臭さ”から離脱を意味し,何とない明るさを,陽気さを伴なっていたともいえる.その上,ノンフィクションあるいはフィクションの読物やテレビ・プログラムの類が社会復帰の輝かしい,そして涙ぐましい物語を語り続けてうまないから,一般の市民が華かな成功例においてのみリハを眺めるのはやむをえないとしても,リハ専門職といわれる人達も,ともすれば明るさになれて瞳孔が縮小して日影が見えにくくなってしまっているのではないかと恐れるのである.
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