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講座
歩行(基礎から臨床まで) 1.歩行の生体力学(3)床反力と筋電図
Gait-From Basic Studies to Clinical Assessment 1. Biomechanics of Gait. (3) Floor reaction force and electromyography
飯田 勝
1
Masaru IIDA
1
1埼玉県障害者リハビリテーションセンター
1Saitama Rehabilitation Center for the Disabled.
pp.177-183
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103528
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Ⅰ.歩行中
歩行中,重心がどう動くかは,数多くの因子で決まる.そのうち最も重要なものは,1)重力自体から生する力,2)筋収縮により生ずる力,3)慣性効果より生ずる力,4)歩行中の下肢角度変化の4つである1).歴史的に見て歩行研究は,これらの重要な因子を明らかにするための手段として,二つの方法をとってきた.はじめは運動学(Kinematics)的分析法である.これは“ある物体の運動を起こすため働く力は考慮せず,その結果起こる運動のみを取り扱う方法”で具体的には歩行中の下肢各要素間の相互運動,すなわち関節角度変化を知ることで,その結果は前に述べた.次は,運動力学(Kinetics)的分析法であり,これは“ある物体の運動を起こすために働く力だけを取り扱う方法である.この歩行を起こす重要な力は具体的には,上に述べた1),2)の二つでありこれを知ることである.これらの力は,歩行中,次のような効果を生ずる.すなわち歩行中,踵が床についた時(踵接地)を考えてみると,身体の重さからの重力と下肢の位置変化による慣性力の二つが働くが,単純化するためこれらを総合した全体としての外力効果だけを考える.
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