The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 20, Issue 2
(February 1986)
Japanese
English
特集 脳卒中の早期治療
脳卒中早期のアプローチ―作業療法の場合
Early Occupational Therapy Program in Stroke Patients
比留間 ちづ子
1
,
蟹沢 優子
1
,
高橋 邦延
1
,
管原 陽子
1
Chizuko HIRUMA
1
,
Yuko KANIZAWA
1
1東京女子医科大学病院
1Tokyo Women's Medical College Hospital.
pp.101-108
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103506
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Ⅰ.はじめに
脳卒中のリハビリテーションは発症直後より開始するというのが通例になってきている.急性期にある患者は,脳および全身的な機能が低下し,高次脳機能障害1,2)の出現頻度が高く認知や身体機能の発現が阻止される.患者は重大なライフクライシスに陥っており,予後予測は非常に難しい.しかし早期は賦活期であり,機能障害(Impairment)の最大回復や転換期における人間本来の成長動機の増大によって社会復帰への早期達成の可能性が高いといわれている.
当院では作業療法(以下OT)開始は発症から平均4.7週,OT施行期間が6.2週と短いため,評価項目に作業を加えて両者を並行して進め,1)作業による動作能力の獲得,機能回復,失行失認の改善,2)身体動作からの失行失認症状の改善,3)機能障害に対する積極的なアプローチを組み合わせて行っている.
今回早期の作業プログラムおよび患者の実態について検討し,報告する.
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