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講座
小児の運動発達 5.運動行為の発達と感覚統合
Motor Development in Children. 5. Development of the Praxis and Sensory Integration
土田 玲子
1
Reiko TSUCHIDA
1
1長崎大学医療技術短期大学部
1School of Medical Technology and Nursing, Nagasaki University.
pp.767-775
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103440
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はじめに
感覚統合理論は周知の如く,学習障害児を1つの研究モデルとして発達してきた,作業療法(OT)の基礎理論の1つである.すなわち,作業療法士としての臨床(clinical practice)と科学(science)の関わり方の一方法をこの理論は提示しようとしているといえよう.そこで,学習障害児の特性とOTの視点の特性が重なることによって,発達科学の中から得ることができた「収穫」を整理してみると以下のようになる.
その1:発達における脳幹機能の役割の認識―特に高次脳機能障害に対する発達的理解
その2:人間行動の理解法―全人間的,総合的把握,および神経生理学的,心理生物学的解釈
その3:発達と治療の考え方―人間行動を生物学的(個体発生的,生理学的,進化論的)かつ社会学的適応行動(adaptive behavior)として捉え,目的的活動(purposeful activity)を発達的,治療的に意義づける(小児においては,遊び行動がこの概念と一致する).
この稿では,運動発達を行為(Praxis)の発達というレベルで捉え,これを感覚統合理論はどのように扱うか,以上に述べた特徴を追いながら,基本的な考え方を説明していくことにする.
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