Japanese
English
講座
摂食 6.摂食障害の治療・訓練―精神遅滞
Eating Mechanisim 6. Feeding Therapy(Mentally Retardation)
鷲田 孝保
1
,
竹井 和子
2
Takayasu WASHIDA
1
,
Kazuko TAKEI
2
1群馬大学医療技術短期大学部
2竹井発達心理研究所
1College of Medical Care and Technology Gunma University.
2Takei Research Institute of Development Psychology.
pp.781-788
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103445
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
「食べる」ことは生存にとって基本的な行動である.また,「食べる」行動は母―子の絆(mother-infant bond)の成立と,それによる情緒の安定にとっても重要な意味を持っている.
心理社会的発達理論を提唱したEriksonは1)は「乳児と母親の双方は,口と乳首という集点的な器官を通してだけでなく,身体全体で,温情と相互性をくつろいで示し合い楽しむ.……このようにして発達した,相互にくつろぎ合う関係こそは,友好的な他者との初めての出合いにとって,もっとも重要なものである」と述べ,「食べる」行動が,単に生存にとってだけでなく,対人関係や情緒の発達の基本であることを示している.
したがって,摂食障害に対する治療,訓練は上記の観点を考慮して行わなければならない.本論では,摂食障害の分析とそれに対する治療,訓練の方法について,特に精神遅滞を中心に述べる.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.