症例報告
変形性膝関節炎と脳卒中片麻痺とを合併する一症例―装具と歩行そして家庭生活を基盤としたアプローチ
稲川 利光
1
1千鳥橋病院
pp.487-490
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103367
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はじめに
今回,当リハビリセンターにおいて,重度の脳卒中片麻痺に加え,両膝の変形性膝関節炎を合併する患者に対し,装具的治療を主体とした訓練を施行した.また,患者の退院後の家庭生活に向けて,家屋改造等の指導も併せて行った.
装具治療において,患者は我々の予想をはるかに上まわるほどの歩行能力を獲得していった.歩行を獲得したという患者本人の自信は,一時的な訓練意欲の増大という形に留まらず,家庭における生活空間の調整効果と併合して,退院後の生活全般における活動性の維持に結びついている.
今回,ここに当症例の報告を行い,諸先生方からの御意見を拝聴したいと思っている.
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