Japanese
English
特集 脳性麻痺に対する生活動作指導
重度脳性麻痺者への作業療法士による自立生活的アプローチ
A New Self-reliance Programme by Occupational Therapists for the Severely Cerebral Palsied
寺山 久美子
1
,
谷川 知嘉子
1
Kumiko TERAYAMA
1
,
Chikako TANIGAWA
1
1東京都心身障害者福祉センター
1Tokyo Metropolitan Rehabilitation Center for the Physically and Mentally Handicapped.
pp.853-857
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103222
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Ⅰ.自立生活
国際障害者年(1981)を境としてILということばをあちこちで聴くようになった.これはIndependent Livingの略で「自立生活」と訳される.1983年3月にはアメリカの自立生活運動(Independent Living Movement)のリーダー達が来日した.日米障害者自立生活セミナーを各地で開催し,「障害者主体の自立生活」をアッピールしていった.迎える日本側の障害者と関係者も大いに啓発され,ILをこれからの新しい障害者のあるべき道として決意を新たにしたようにみえる.
IL運動は1970年代アメリカで発展した,障害者を主体とする運動であり,就労に結びつかない重度の障害者でも家族や施設職員への依存から脱して,地域社会の中で充実して生きられる条件を獲得していくことを目的としている.即ち,リハビリテーション法を改正して,第7章に「自立生活のための総合的サービス」を成文化した(1978)1).そして自立生活のためのトレーニングの場である自立生活センター(Center for Independent Living:CIL)が法的根拠を得た.従来のリハビリテーションが「専門家主導型」であったこと,その結果障害者の「自立」がそれほど増さなかったことの障害者側の反発としてCILが設立された経緯がある.したがって,その根本に専門家不信があり,障害者主導を強く主張している.
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