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特集 脳性麻痺児者への作業療法—現在,過去,そして,未来を拓く
重度脳性麻痺児者のためのシーティングの歴史的変遷
The history of the adaptive seating for severely handicapped patient with cerebral palsy
岸本 光夫
1
Mitsuo Kishimoto
1
1CAMPソレイユ川崎
pp.130-136
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201999
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Key Questions
Q1:日本における歴史の概要は?
Q2:日本独自の開発製品の例と特徴は?
Q3:ミーティングにおけるOTの役割は?
はじめに
筆者が作業療法の仕事に就いた1980年(昭和55年)当時は,ボバース法やボイタ法に代表される神経生理学的アプローチが日本全国に急速に広まっていく時代であった.早期治療と1対1の機能訓練の重要性が提唱され,多くのOTもその技術習得に切磋琢磨していた.筆者もその一人であったが,ファシリテーションテクニックの全盛の中にあって,今思えば,生活支援にとても重要であるはずの子どもたちの車いすや座位保持装置は,選択肢とその使用機会が非常に乏しく,欧米に比べ30年遅れているといわれていた時代でもあった.それからほぼ40年,日本におけるシーティングは大きく発展し,作業療法計画にあたり前のように取り込まれるようになった.
ここでは重度脳性麻痺児者のシーティングと作業療法の歴史的変遷について述べ,車いす・座位保持装置の現状,今後の課題について私見を述べていきたい.
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