Japanese
English
症例報告
重度不全四肢麻痺(C6)から屋内歩行が自立した一症例
A case of cervical cord injury patient with severe incomplete quadriplegia acquired level walking independently
鳥山 貴大
1
,
浅井 直樹
1
,
藤縄 光留
1
,
相馬 光一
1
,
丸谷 守保
1
Takahiro Toriyama
1
1神奈川リハビリテーション病院理学療法科
キーワード:
頸髄損傷
,
重度不全四肢麻痺
,
歩行機能
Keyword:
頸髄損傷
,
重度不全四肢麻痺
,
歩行機能
pp.73-78
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201095
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要旨 [目的]受傷直後,完全四肢麻痺の状態から長期間の介入により屋内歩行が自立した症例を経験した.本症例を通して重度不全四肢麻痺者が屋内歩行獲得に至った要因と屋外歩行獲得に至らなかった要因について分析・検討する.[症例と経過]20代男性,受傷直後C6残存,American Spinal Injury Association(ASIA) Impairmet Scale(AIS)/A.Magnetic resonance imaging(MRI)にてC4/5領域に100%近いT1低信号がみられた.3病日AIS/B,49病日(当院入院)AIS/C,下肢だけでなく体幹・上肢機能にも着目し介入した.歩行は回復に合わせ環境・装具を変更し,退所時は両側ロフストランド杖を使用し屋内歩行が自立した.[考察]屋内歩行獲得は,高頻度・長期間にわたる運動療法介入により,歩行に必要な最低限の抗重力的な支持機能を獲得できたためと考える.しかし,脊髄自体に広範囲の神経損傷が残存したため,筋力低下と姿勢制御の問題が残存した.耐久性や歩行速度も実用性が乏しく屋外歩行獲得には至らなかったと考える.
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