The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 18, Issue 2
(February 1984)
Japanese
English
特集 癌
Stoma患者(人工肛門造設患者)管理―特に合併障害例における特殊性および問題点
Care of stoma Patient with Other Disability
大村 裕子
1
Yuko OMURA
1
1癌研究会附属病院外科病棟看護婦
1Nursing Division, Cancer Institute Hospital
pp.91-96
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103030
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Ⅰ.緒言
近年,癌患者に対する治療はめざましい進歩をとげているがその原因は外科療法の進歩に負うところが大きい.この癌に対する外科治療はしばしば臓器を広範囲に切除しなければたらないことが多く,術後に大きな切除臓器の欠損障害を残す.このように原疾患に対して根治手術がなされても,その結果として障害が残った場合,欠損障害に対するリハビリテーションが非常に大切になってくる.このような術後障害が十分リハビリテートされて,はしめて,治療および看護のひとくぎりと考えるべきである.
さてこのような外科におけるリハビリテーションの中で直腸癌の手術などに伴い人工肛門(stoma)が造設される患者においては随意排便機能を失い排泄に対する障害が顕著に表れてくる.この排泄機能は人間の基本的生活行動のひとつであり,この機能を失うことは生活に著しい影響を与える.近年,stoma(人工肛門,人工膀胱および瘻孔など)患者のリハビリテーションはその必要性が非常に認識されており,外科的リハビリテーションの中の最も重要な一分野として確立されつつある.理学療法,作業療法と同様にstoma therapyも分野は異なるが,広義のリハビリテーションに包含されるものであり,患者の自立を日指すということでは,目標とするところは変わらない.
本稿では,まず,一般的なstoma careのやり方について述べ,次に癌という問題からはなれて,もう少し広く,理学療法,作業療法が関与しなければならないような症例においてstomaが造設される場合のstoma care(合併障害例)について述べる.
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