特集 術前・術後管理 '91
C.特殊病態患者の術前準備
人工肛門造設予定患者の術前準備
上谷 潤二郎
1
1東京逓信病院外科
pp.66-67
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900561
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■問題点の解説■
人工肛門造設予定患者の術前準備には,全身的な術前評価と病変の適正な診断に基づく一般的な身体の術前準備,および患者と家族に手術と人工肛門について説明し,装具のスキンテスト,ストーマの位置決めなどの準備が必要である.かつては精神的負担を配慮して,手術の説明に加えて人工肛門という新しい状況になることについて術前に十分説明されなかった.近年はストーマケア,特に装具の進歩などによって人工肛門の管理についての考えも変わり,新しい身体的条件をより早く理解し慣れてもらうために,術前に患者と家族に説明しておくことが望ましいと考えられている.
人工肛門造設を必要とする疾患として,直腸癌をはじめとする大腸の悪性腫瘍,潰瘍性大腸炎,Crohn病を含む炎症性腸疾患,憩室炎の穿孔や特発性穿孔,痔瘻や外傷などさまざまの原因で生じた肛門括約筋不全などがある.
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