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講座
薬物療法の基礎知識 5.精神障害
Introduction to Drug Therapy 5. Mental Disorders
上野 武治
1
Takeji UENO
1
1北海道大学医療技術短期大学部
1College of Medical Technology, Hokkaido University.
pp.853-858
発行日 1983年12月15日
Published Date 1983/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103001
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Ⅰ.はじめに
精神科薬物療法の主要な対象は,作業療法などリハビリテーション活動にとってもそうであるように,発病頻度も高く,治療の困難な精神分裂病であり,近年の薬物療法も本疾患を中心に発展して来たものである.
クロルプロマジンが新しいタイプの精神病治療薬として登場してすでに四半世紀が経過し,その間に多数の薬剤が開発され,分裂病のみならず躁うつ病や神経症などもその対象となり,今日では精神科医療の中で薬物療法は欠かせないものになっている.
一方,病者にとっては非常に長期の服薬が強いられることとなるが,これらの薬剤は心身にさまざまな作用をもたらすものである.したがって,リハビリテーション活動においても対象の患者が長期にわたる薬物の影響下にあることを十分念頭に置いた上でプログラムを作成し,その達成状況を判断することが望まれる.
薬物療法の詳細については成書1~4)にゆずり,ここでは基本的な諸点について概説することとする.
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